フェンスで区切られた屋上にあり、たどり着けないお稲荷さんとして有名な作徳稲荷大明神。
7月末のビルの解体工事に伴い、作徳稲荷大明神は移転されます。
今回、オーナーさんのご厚意で作徳稲荷大明神に移転についての詳細を伺うことが出来ましたよ。
作徳稲荷大明神って?
作徳稲荷大明神は、1930年に現オーナーのお父様が「鍵屋染物店」を開業する際、京都の伏見稲荷大社(千本鳥居で有名)より商売繁盛・五穀豊穣を祈願して勧請、屋敷稲荷として造営しました。
1959年にビルを建築した際に屋上へ移設され、以降、直接お参りできない神社として赤羽の有名スポットに。
御祭神
宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)
佐田彦大神(さたひこのおおかみ)
大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ)
田中大神(たなかのおおかみ)
四大神(しのおおかみ)
鳥居越しに見るフェンスと青い空。いつもはこのフェンス越しにお賽銭を投げているんだなぁ。
作徳稲荷大明神を造営した現オーナーのお父様(写真左)。この写真はお父様が日本橋高島屋で貞明皇太后(大正天皇の皇后・昭和天皇の生母)に染色の技術をご説明しているところだそう。
移転のスケジュールについて聞いてみたよ
2021年6月29日(火)に作徳稲荷大明神の御神体を取り出す儀式が行われ、西東京市にある東伏見稲荷神社に移動されます。(なんと!赤羽の街からはなれてしまうのか…)
手前の狛狐は赤羽八幡神社に移動されるそうなので、気軽に会いに行けそうですね。
既に赤羽八幡神社の神主さんにお願いして、御神体及び狛狐の移動のお祓いを済ませているそう。
このお祓いをもって神様はすでに移動している(=神社に神様はいない)という考え方もありますが、作徳稲荷のお稲荷さんはギリギリまで赤羽の守り神でいてくれているはず!
作徳稲荷大明神にお参りするよ
それでは、通常の参拝ルートでお参りしてみましょう。
こちらが作徳稲荷大明神が屋上にあるビル。
ビルの入り口を入ると…
早速「屋上参道入口」の看板が。横にタイ古式マッサージの看板があるのが赤羽らしくてすごく好きです。
手前の階段を上りますよ。
またもや「屋上参道入口」の看板が。
緑色の手すりがユニークな階段を上ります。
味のある「火の用心」。
こちらには「留守に鍵 でる前に火の元」。
まだまだ階段は続きますよ。
うひょー、ゴールはまだかな。
参道に出ました!
参道から赤羽の街を見下ろしてみます。もう見ることが出来なくなる景色だと思うと感慨深い。
フェンス越しに見る作徳稲荷大明神。
お賽銭を入れるべく、近寄ってみます。
賽銭箱の周りにキラキラ光る硬貨がたくさん。一つ一つの硬貨に参拝された方の願いや希望がこもっているんですね。
赤羽のディープスポットがまた一つ、歴史の記憶に刻まれることになりました。
7月末に社殿が取り壊されるのは寂しいですが、御神体が東伏見稲荷神社で大切に守られていくと聞いて安心しました。
作徳稲荷大明神のお稲荷さんが、遠い街から赤羽を見守ってくれることを祈ります。
*予定なので、変更になることもあるかと思いますが、ご了承ください。