王子稲荷神社は飛鳥山の近くにある由緒正しい神社。大晦日の夜には装束稲荷神社から出発する「狐の行列」のゴール地点としても有名です。
風水で大地のパワーが溜まりやすいとされる「龍穴」の上に建っているとも言われる王子稲荷神社は、まさに絶好の立地条件にあるといいます。
王子稲荷神社はどんな神社?
王子稲荷神社は「関八州の稲荷の頭領」や「東国三十三国稲荷総司」と称されています。要するに関東一帯のお稲荷さまのトップ!
関東一帯(東日本一帯という説も)のお稲荷の頂点って凄くないですか???
王子稲荷神社は今から千年以上前にまつられ、平安中期には相当の社格を有したお社です。
もともとは荒川の岸にあったことから“岸稲荷”と呼ばれていた王子稲荷神社。
14世紀に領主であった豊島氏が紀州(和歌山県)の熊野神社を近くの王子神社に祀ったことから、この地が王子という地名に改まりました。
これに伴い、岸稲荷は現在の社名である「王子稲荷神社」に改称されました。
小田原を治めていた北条氏が深く尊崇していたこと、また徳川将軍家の歴代将軍の祈願所としても有名。昔から人々の間で人気のある稲荷神社の一つです。
王子稲荷神社の御朱印。火防(ひぶせ)の凧がカワイイ!
こちらが頂いた御朱印。
墨のいい香りがします。流れるような字体がとっても素敵。
右上に火防(ひぶせ)の凧のハンコが押されています。
江戸時代はたくさんの火事が起こりました。強い風は火事を大きく広げてしまいます。風を切って空高くのぼる凧は火事を防いでくれる縁起物、お守りとして江戸の町に広がって行きました。
御朱印を頂く際の注意:
・12:00~13:00は御朱印授与は不可
・初穂料500円は出来るだけ千円札で支払う(小銭が増えて難儀されているそう)
アクセス・行き方・最寄り駅
地図はこちら。
王子駅中央口の改札を出たら左へ進みます。音無川に突き当たったら右折。
五差路も直進します。
道の途中に久寿餅や寒天で有名な石鍋商店が。昔から参拝者の休憩場所になっていたんでしょうね。今日はお休みみたい。
王子稲荷神社に併設されているいなり幼稚園が開園しているウィークデーは、左にあるいなり坂から神社に参拝します。
いなり坂から行く場合はこちら。結構な急こう配な坂です。
今日は表門が開いているようなので直進します。
こちらが神社の表門。重厚な構えでかっこいい。
繊細な木彫りの模様。
夜には火がともるのでしょうか。
パワーみなぎる!境内の様子
門をくぐった先には鳥居が見えます。
狛犬もマスクをしています。
20段程の階段。
凛々しい。
蝉の泣き声の中、登ります。
しっぽのふくらみが可愛い。
もうすぐ着く!
冷たい水で手を清めます。
夏の暑い日に涼しげ。
境内にはこんな大きな木と燈籠が。
絢爛豪華な拝殿へ。
拝殿はこちら。
靴を脱いで昇殿し、中でお参りすることができます。珍しい!
天井にはこんな素敵な鳳凰が。
お賽銭箱に大きな稲紋(稲穂を束ねて丸型にしたもの)。下部中央に王子の「王」の字が書かれているのが特徴的。
王子稲荷神社の拝殿の上部には干支の彫り物があります。こちらは辰。
こちらは巳。ご自分の干支を探してみるのも面白いかも。
本宮へ。この小さな社が昔から続く本来の王子稲荷なんです。
拝殿の右横の鳥居をくぐります。
古井戸を発見!
いつの時代のものでしょうか。
手水桶。とっても古そう。
顔を上げるとそこには本宮が。
狛狐。カワイイ。
近づいてみます。
末社
本宮の右横にある赤い鳥居をくぐってさらに先に進みます。
末社である北村稲荷神社、亀山稲荷神社、嬉野森稲荷神社の3社。
「願掛け石」で願いが叶うか占うよ。
末社の左隣には願掛け石があります。
願い事を思い浮かべながら石を持ち上げて、軽々と持ち上げられたらその願いはかないやすい、反対に意外と重いなと感じたら叶えるために努力が必要という言い伝えがあるそう。
願掛け石。
小さ目の願掛け石。お子さん用かな。
「お穴さま」は多くの狐が住んでいたとされるパワースポット
願掛け石の左には上に伸びる階段が続いています。
かごに入った狛狐。
ビル2階分か、3階分くらいかな。
こちらが「お穴さま」。昔はこの穴に狐が住んでいて、人々の信仰の対象になっていたそう。多くのご利益を授かることのできるパワースポットです。
油揚げがお供えされていました。
トンボがいました!
お穴さまから見た景色。
末社:市杵島神社
神社入り口には、弁天様が祀られている市杵島神社があります。
市杵島神社はもともと宗像三女神の市杵島姫神を主祭神とする神社ですが、市杵島姫神は仏教の弁才天と習合したので、こちらも弁天様がいらっしゃるのかな。
狛犬がいい表情です。
300年以上前に奉納されたものだとか。
金色の鯉発見!
拝殿の隣に小さな滝のようなものがありました。
いなり坂の鳥居
お参りも終わったので、帰りはいなり坂から。
狛狐発見。
台座には鍵が彫られています。鍵は霊徳や商売繁盛(蔵のカギ)を意味します。
対の狛狐。
。
台座には宝珠が彫られています。宝珠は霊徳や宝珠、米倉を意味します。
王子稲荷神社の狛狐は鍵と宝珠を持っていましたが、他の稲荷神社の狛狐は、知恵を意味する「巻物」や五穀豊穣を意味する「稲穂」を持っていたりします。注意して見てみると面白いかも。
宝暦十四年(1764)に奉納。保存状態がいいですね。
鳥居を出て振り返るとこんな感じ。
鳥居の一番外側にも狛狐が。子狐を抱えています。
反対側にも狛狐。とてもシャープなお顔立ち。
おつまみで有名な「なとり」も王子稲荷神社を崇敬されてるんですね。
王子稲荷神社の名前の御祭神・御利益
御祭神は宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)、宇気母智之神(うけもちのかみ)、和久産巣日神(わくむすびのかみ)の三柱。
商売繁盛、火防守護、五穀豊穣の御神徳が高い神社として信仰されています。
乃木希典に崇敬された王子稲荷神社。赤坂の乃木神社に由縁の神社が建立。
乃木神社(港区赤坂8丁目)の境内に鎮座している「赤坂王子稲荷神社」は、王子稲荷神社から勧請されて昭和37年(1962年)に創建されました。
赤坂王子稲荷神社の社額。
乃木希典将軍と静子夫人が王子稲荷神社は月参りするほど王子稲荷神社を崇敬していたことが創建の理由だそう。
なぜ王子稲荷神社を崇敬していたのか、理由は探しても見つかりませんでしたが、お稲荷さんと言えば当時の乃木邸からすぐ近くに豊川稲荷東京別院があるのに、わざわざ11キロも離れている王子稲荷神社に参拝するのは余程のことだったと推測されます。
乃木将軍は、崩御された明治天皇の御大葬の日(大正元年9月13日)に静子夫人と共に先帝に殉じて自刃を遂げられました。
赤坂王子稲荷神社の手前におみくじがありました。風鈴の心地よい音色の中、おみくじをじゃらじゃら鳴らします。
おみくじには「乃木将軍特別崇敬の赤坂王子稲荷神社」と記載あり。
乃木神社には乃木将軍夫妻の邸宅や厩(うまや)などが保存されており、見学もできます。こちらも一見の価値ありですよ。
王子稲荷神社の凧市
王子稲荷神社は初午と二の午の2日間に凧市が開催されます。
凧市では、毎年、社務所にて縦約20cm×横約25cmの「火防の凧」が出されます。
この凧市が始まったのは火事が多かった江戸時代。火事を大きくする原因の風を切って高く上がる凧が火難除けのほか無病息災、商売繁盛にご利益があるとされました。最近では高く高く上昇する、ということで受験生にも人気があるんだそう。
露店もたくさんでて大賑わいの凧市です。
凧市の様子はこちら↓
最後に
王子稲荷神社は清々しい気を感じる有数のパワースポット。昔から人々が崇敬するのが分かりました。
皆さんも是非!
王子稲荷神社周辺のおすすめグルメ
赤いどうくつ
こちらでいただいたクラーケン、シンプルなんだけど、深~い味わいがたまらなく美味しいです。
かいらく
王子で地元民に長年愛されている町中華。わんたんめんがおすすめ。醤油ベースのスープはなんというか口の中に幸福感が込み上げてくる感じですよ☆
王子カレーハウスじゃんご
角煮と豆腐がのっているカレー!そしてこだわりのスパイスがたっぷり詰まったルー。その美味しさはクセになりますよ。