赤羽駅-日暮里駅間の定期券を持っていると路線の違う尾久駅でも途中下車することができる、という話を聞きつけた編集員B。
でも、定期券は券面に表示された経路以外は乗れないはずだし、そもそも、尾久駅に停車する宇都宮線・高崎線は、京浜東北線の日暮里駅に停車しないからできるわけないよ!と思っていました。
ですが!調査の結果、
赤羽-日暮里間の定期券を持っていれば尾久駅でも途中下車は可能である。
なんとなんと、ビックリ仰天!
ポイントは2つ。
・宇都宮線・高崎線は運賃計算上では日暮里駅に停車したものとみなす
・赤羽駅-日暮里駅間は「経路特定区間」に指定されている
このポイントを深掘りしてみたいと思います!
運賃計算上では日暮里駅に停車する?
前述のとおり、宇都宮線・高崎線の電車は日暮里駅に停車しないので、路線図では「赤羽-尾久-上野」となります。
ですが、経路上(運賃計算上)では東北本線として「赤羽-尾久-日暮里-上野」とみなされます。
よって、赤羽駅-日暮里駅間の定期券を購入すると、
・京浜東北線で「赤羽-東十条-王子-上中里-田端-西日暮里-日暮里」の王子経由
・宇都宮線・高崎線で「赤羽-尾久-日暮里」の尾久経由、
から選ぶ、というのが一般的だと思います。
しかし、赤羽ー日暮里間は「経路特定区間」というものに指定されているので、上記の2つの路線を選択することはできないのです。
赤羽駅-日暮里駅間は「経路特定区間」に指定されている
「経路特定区間」とは、経路が複数ある場合、JR東日本が指定した区間においては、どの経路を利用しても短い経路の営業キロなどを使用して運賃・料金となる、区間のこと。
区間 | 経路 |
---|---|
赤羽~日暮里 | 東北本線 ◎王子経由(7.4キロ) 尾久経由(7.6キロ) |
そのため、定期券の料金は王子経由の料金が自動的に適用されます。
また、定期券は原則的に券面に表示された経路以外は乗れないのですが、この「経路特定区間」ではどの経路を選択しても乗れるんです。
JR東日本では現在、9路線を「経路特定区間」として指定しています。赤羽駅-日暮里駅間はその一つ。
まとめると、定期券の料金は王子経由を利用したものとみなして計算されますが、実際には王子経由、尾久経由どちらを利用してもよいし、途中下車してもよい、ということになります。
大宮駅-赤羽駅間も「経路特定区間」に指定されているよ
余談ですが、大宮駅-赤羽駅間も経路特定区間に指定されています。
区間 | 経路 |
---|---|
赤羽~大宮 | 東北本線 ◎川口・浦和経由(17.1キロ) 戸田公園・与野本町経由(18.0キロ) |
こちらも、大宮駅-赤羽駅間の定期券の料金は川口・浦和経由ですが、乗車は京浜東北線(浦和・川口経由)でも、埼京線(戸田公園・与野本町経由)でもどちらでも可能、ということになります。
それにしても、9つの路線のうち2路線に赤羽が絡んでるって、赤羽、すごくないですか?
まとめ
最後に、このお話を一つ。
川口駅-日暮里駅間の定期券を持っていると、途中下車できる駅は「川口、赤羽、東十条、王子、上中里、田端、西日暮里、日暮里、尾久」となります。
川口駅-田端駅間の定期券では、途中下車できる駅は「川口、赤羽、東十条、王子、上中里、田端」。
川口駅-尾久駅間の定期券で途中下車できる駅は「川口、赤羽、尾久」の3駅のみ。
そして、なんと、この3つの定期券の料金は同額の25,290円なんです(2020年8月現在)。同じ金額でたくさんの駅に途中下車できると嬉しいですよね。
JRの運賃にはこれ以外にもたくさんの規定がありました。
うまく利用して旅行に行ってみる、なんていうのはいかがでしょうか。