昭和10年の教科書に赤羽の軍用犬養成所について書いてありました。
昭和10年の教科書
尋常小学校の教科書(昭和10年)に記載された、赤羽の軍用犬養成所に関する内容はこちら↓
「私はこの間、尋常二年生をつれて、東京赤羽の軍用犬養成所を見にいきました。赤羽駅のすぐ北にあるふみきりをこえて行くと、一キロ位のところに原つぱがあります。遠くから左手に高い記念碑が見えますが、これは明治天皇様が、御立ちになつた記念の碑です。赤羽軍用犬養成所は、すぐこの右わきに、トタン塀でかこまれたところですから、すぐわかりました。」
(引用:「新読本の指導精神 : 教法精説 尋常科用 巻5」)
養成所では数多くの大型犬が一匹ずつ2メートル四方の檻に入れられており、名前や番号、世話をする担当者の名前が書かれた札がかかっていたそう。
訓練中の犬が四つん這いで前進したり、敵兵にかみつく練習をする様子、そして上手くできたら褒めてもらいたい様子が続きます。
「この犬で、二千圓もするんですよ」
昭和10年の平均年収が約1,200円だそうなので、かなり高価であることが分かりますね。
跡地と思われる場所
「北区こぼれ話 第43回」によると、場所は赤羽西五丁目アパートがあるあたり。
都営赤羽西五丁目アパート8号棟にピンを立てています。
緑に囲まれた跡地。
道路を挟んで国立印刷局の東京宿舎があります。
教科書のテストに…
教科書なので、章の最後には言葉をならべて意味の通る文章にするテストがあります。その言葉を並べてみると、
「二匹は」「身に幾つものたまを受けて」「血にまみれて」「死んでゐました」
「二匹とも」「敵兵の軍服の切れはしを」「しつかりとくはえて居ました」
九段には、戦没馬慰霊像・鳩魂塔・軍犬慰霊像があります。兵士ととも海外に出征した軍馬、軍犬は、終戦後も故郷に生還することはありませんでした。
犬も馬も人間も、平和で暮らしたいです。
参考文献:
・きたくの部屋だより第44号(2013年3月)「北区こぼれ話 第43回」
・「新読本の指導精神 : 教法精説 尋常科用 巻5」”二十二 犬のてがら”(昭和10年)友納友次郎 著 出版者 明治図書 527頁~530頁
■赤羽マガジンでは皆さまからの情報提供をお待ちしています!投稿いただいた方の中から毎月4名様に500円のアマゾンギフトをプレゼント。→情報提供フォームへ。
☆赤羽マガジンの最新情報は公式SNSでゲット!☆
・公式インスタグラムはこちら。
・公式フェイスブックはこちら。
・公式Twitterはこちら。
・赤羽マガジンのオススメ記事が週1回LINEに届く!登録はこちら。